「また同じ失敗をした」 「なんで私はいつもこうなんだろう」
自分を責める言葉が、頭の中でぐるぐる回る。
落ち込んで、立ち直れなくて、「私はダメな人間だ」って思ってしまう。
でも、もしかしたら。 あなたが「失敗した」と思っているその判断は、バイアスが見せている景色かもしれません。
自分を責めるとき、バイアスは働いている
仕事でミスをしたとき。 「私はいつもこうだ」と思った。
でも、本当に「いつも」でしょうか?
それは利用可能性バイアスかもしれません。直近のミスが強く印象に残り、過去のうまくいったことが見えなくなっている。
人間関係で傷ついたとき。 「やっぱり私には無理だ」と思った。
でも、本当に「無理」でしょうか?
それは確証バイアスかもしれません。「私はダメだ」という思い込みに合う出来事だけを集めて、自分を責める材料にしている。
新しいことに挑戦できなかったとき。 「私は臆病すぎる」と思った。
でも、本当に「臆病すぎる」でしょうか?
それは損失回避バイアスかもしれません。失うものが大きく見えすぎて、得られるものが小さく見えている。
自分を責めるとき、私たちの脳はバイアスを使って、自分を追い詰めています。
あなたも今日使っている「自分を責めるバイアス」10選
私たちは無意識に、自分を責めるためのバイアスを使っています。
1. 利用可能性バイアス 👉 直近の失敗が強く印象に残り、「いつもそうだ」と感じてしまう。うまくいったことは、記憶から消えていく。
2. 確証バイアス 👉 「私はダメだ」という思い込みに合う出来事だけを集めて、自分を責める証拠にしてしまう。
3. 後知恵バイアス 👉 「あのとき気づいていれば」と、結果を知った後に「最初から分かっていたはず」と自分を責める。
4. ネガティビティバイアス 👉 良いことよりも悪いことを強く記憶し、自分の「できなかったこと」ばかりが目につく。
5. 損失回避バイアス 👉 失うことへの恐怖が強すぎて、「挑戦しなかった自分」を責めてしまう。
6. 完璧主義バイアス 👉 「完璧にできなかった=失敗」と思い込み、60点でも70点でも「ダメだった」と感じてしまう。
7. 比較バイアス 👉 他人の「良い部分」と自分の「悪い部分」を比べて、自分を責めてしまう。
8. 自己批判バイアス 👉 自分には厳しく、他人には優しい。同じ失敗でも、自分だけは許せない。
9. 一般化バイアス 👉 一度の失敗を「私はいつも」「私は何をやっても」と、すべてに広げてしまう。
10. 感情推論バイアス 👉 「落ち込んでいる=私はダメな人間」と、今の感情が真実だと思い込んでしまう。
これらは、あなたが今日、自分を責めるときに使ったバイアスかもしれません。
バイアスに気づくと、自分を責める声が小さくなる
「私はいつもこうだ」と思ったとき。
それは利用可能性バイアスかもしれない、と思えたら。
「いつも」じゃなくて、「今回」かもしれない。 「今回」だけなら、次は変えられるかもしれない。
「私はダメな人間だ」と思ったとき。
それは確証バイアスかもしれない、と思えたら。
「ダメな部分」だけじゃなくて、「できた部分」もあったかもしれない。 見えていなかっただけで、うまくいったこともあったかもしれない。
「私は臆病すぎる」と思ったとき。
それは損失回避バイアスかもしれない、と思えたら。
「臆病」じゃなくて、「慎重」なだけかもしれない。 リスクを見る力があるから、失敗を避けられることもあったかもしれない。
バイアスに気づくことは、自分を責める声を「絶対」から「相対」に変えることです。
「私はダメだ」ではなく、「今、私はこのバイアスの影響で、自分をダメだと感じているかもしれない」。
それだけで、少し楽になります。
バイアスは、あなたの味方にもなる
バイアスは、あなたを責める道具にもなるし、あなたを守る道具にもなります。
損失回避バイアスがあるから、危険を避けられる。 慎重に判断できる。無謀なリスクを取らずに済む。
確証バイアスがあるから、自分の信念を守れる。 周りに流されず、自分の軸を持ち続けられる。
利用可能性バイアスがあるから、大切な記憶を忘れない。 同じ失敗を繰り返さないように、学ぶことができる。
バイアスは、あなたを守るために働いています。
ただ、そのバイアスが「今のあなた」に合っているかどうかは、別の話です。
自分を責めるのをやめるために
自分を責めるのをやめるために、バイアスを消す必要はありません。
ただ、気づくだけでいい。
「私はいつもこうだ」と思ったとき。 「これは利用可能性バイアスかもしれない」と、心の中でつぶやいてみる。
「私はダメな人間だ」と思ったとき。 「これは確証バイアスかもしれない」と、立ち止まってみる。
それだけで、自分を責める声は少し小さくなります。
バイアスに気づくことは、自分に優しくなる第一歩です。
あなたが自分を責めているその声は、あなたの真実ではなく、バイアスが見せている景色かもしれません。
バイアスに気づいたとき、あなたは自分を責めるのではなく、自分を理解し始めています。